【フェムケア実態調査】 40代以上の女性の デリケートゾーン事情は? 「匂い」「痒み」の悩みに 医師がアドバイス

人に言えない、聞きにくい、デリケートゾーン事情。周囲の女性たちはどんなことに悩み、どういったケアをしているのか、気になりませんか?

フェムブランド「Ibiza Beauty」(株式会社ウィルミナ)は、40代以上の女性を対象に、デリケートゾーンのケア状況についてアンケート調査(※)を実施。結果から見えてきた実情を、産婦人科医・宮本亜希子先生への取材コメントも交えてお伝えします。

調査概要※
調査実施時期:2024年11月26日(火)~2024年12月5日(木)
調査手法 :インターネットアンケート/ウィルミナ調べ(クロス・マーケティング QiQUMOを利用した調査)
調査対象 :全国の40代以上の女性296名(有効回答数)

宮本亜希子先生
産婦人科医であり、婦人科美容の領域でも活躍。性教育やHPVワクチンの普及、女性の生活の質向上にも力を注いでいる。銀座のクリニック「BIANCA」では膣ヒアルロン酸や婦人科形成手術を担当。

日本のフェムケアは夜明け前?未経験者が7割

今回のアンケート実施にあたっての事前調査で、40代以上の女性に「フェムケア経験の有無」を尋ねてみたところ、ケアしたことがある人は3割に留まりました。日本は欧米に比べても、フェムケアがまだ一般化しているとは言えない状況であることがわかります。

デリケートゾーンは、顔のようにいつも他人の目に触れる箇所ではないため、ケアの必要性が認識されにくいのかもしれません。そもそもセンシティブな領域だからケアすることすら気恥ずかしいのかも…!?

しかし、デリケートゾーンはとても繊細でトラブルを起こしやすい箇所。通常のフェイスケアやボディケアと同じように、定期的に適切なケアを行なっていただくことをおすすめします。

40代以上の女性がフェムケアを行うのは「心地よさのため」

フェムケア経験者を対象に「ケアを行う理由」を尋ねたところ、もっとも多かった回答は「自分の心地よさのために」124人でした。見せるための美容とは違った軸で、自分自身の快適さを追求する女性たち。フェムケアは、QOL向上に繋がると言えそうです。

次に「具体的な悩みがあるから」93人という回答が続きますが、デリケートゾーンについて、40代以上の女性は具体的にどういった課題を抱えているのでしょうか。

デリケートゾーンで悩ましい「毛の問題」。匂いや痒み、乾燥も

デリケートゾーンの悩みを尋ねると、圧倒的に多かったのは「ムダ毛の処理」81人。今でこそトライしやすい価格帯のサロンが増えましたが、かつての永久脱毛は高額でした。40代以上だとサロン脱毛を見送ってきた人が少なくないことから、セルフ除毛が悩みの種になっているのかもしれません。ただでさえ仕事もプライベートも忙しいというのに、ムダ毛の自己処理に割く時間も手間も惜しいですよね。それでもムダ毛は待ってくれないという現実…。

デリケートゾーンの悩みは「匂い」66人、そして「痒み」53人、「乾燥」37人と続きます。40代以降はこういった悩みが顕著になっていく世代なのでしょうか。

「膣内にはデーデルライン桿菌(乳酸菌)という善玉菌がいるおかげで自浄作用が働いています。ところが、女性ホルモンの減少によって乾燥しやすくなると、デーデルライン桿菌などの常在菌が住みにくくなって膣内環境が乱れ、アルカリ性に傾き、痒みを伴う膣炎を起こしやすくなります。強い匂いや過度な痒み、出血は、病気のサイン。ご自身でフェムケアをしているときに気になったら、すぐに専門医へ相談してください」(宮本亜希子先生)

骨盤底筋の強化、消臭・防臭もフェムケアでの関心事

フェムケアで重要視していることもやはり「ムダ毛の処理」74人でもっとも多く、次いで「骨盤底筋の強化」57人、「消臭・防臭」56人、「色素沈着」52人、「乾燥(保湿)」45人という結果でした。

乾燥しやすい状態でムダ毛の自己処理を続けると、肌に負担がかかり、色素沈着を起こしやすくなります。また、女性ホルモンの分泌低下は筋肉量の減少にも繋がります。骨盤底筋の衰えから尿漏れをしやすくなり、その匂いがまた気になって…。デリケートゾーンのトラブルは相互関係にあり、悩みが尽きません。

「デリケートゾーンの色は女性ホルモンの影響で濃くなるため、更年期に入って以降は徐々に薄くなっていくはずです。それでも色素沈着が気になるという人は、下着などによる擦れが原因と考えられるので見直してみてください」(宮本亜希子先生)

悩みの尽きないデリケートゾーンですが、ケアについて「誰かに相談したり話題にしたりすることはありますか?」と尋ねたところ、「いいえ」が178人で、「はい」118人を上回るという結果となりました。

「いいえ」と回答した人にその理由を問うと、「恥ずかしくて抵抗がある」「不適切という懸念がある」という声が見られました。一方の「はい」と回答した人は「悩みを分かち合ったり情報共有したりしたいから」という理由が大多数。

フェムケア商品で求められているのは匂い対策ができるもの

昨今はフェムケア関連のさまざまな商品が市場に出回るようになりました。その中でも特に関心のある商品を尋ねると「匂いケアができるもの」が89人とダントツで、次に「乾燥ケアができるもの」65人、「色素沈着の対策ができるもの」53人、「痒みケアができるもの」52人、「ゆるみケアができるもの」22人という結果でした。

「匂いが気になるからといって、膣内まで洗いすぎるとますます常在菌が減少し、自浄作用が低下してしまうので気をつけましょう。専用ソープで洗うのは外陰部まで。膣内の本格的なうるおいケアは専門医のいる美容クリニックで行うことをおすすめします。定期的に婦人科検診を受けて健康状態を確認しながら、ご自身では日常的にフェムケア商品で整えていくのが理想的ですね」(宮本先生)

フェムケアの正しい情報を、求めている人の元へ

今回の調査結果を通してわかってきたのは、40代以上の女性はデリケートゾーンに課題を感じながらも、本格的にケアしていのは一部の人に留まっているということ。そして、恥ずかしさもあって相談しにくい状況であるということ。日本にフェムケア経験者がいまだ少ない理由は、この羞恥心やタブー視する風潮にあるかもしれません。

女性たちがオープンに語り合える世の中になるにはまだ時間がかかりそうですが、ケアの必要性や具体的な方法がシェアされ、認知されるようになると、フェムケアを始める人も増えていくのではないでしょうか。「Ibiza Beauty」を展開するウィルミナとして、女性の悩みに寄り添いながら、フェムケアについての正しい情報をお届けしていきます。

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