イキイキと輝くエイジレスな女性たちを紹介するシリーズ。前回の孫崎虹奈さんに続き、今回もウィルミナが応援する「TRI WOMEN JAPAN(トライウーマンジャパン)」から、トライアスロンに情熱を注ぐ谷川真由子さんに登場していただきます。子育てがひと段落したタイミングで始めたのはなぜトライアスロンだったのでしょうか。若々しくエネルギッシュであり続ける原動力や、10年後のビジョンなどを伺いました。

谷川真由子さん
3人のお子さんを育て上げた後、50歳にして一念発起でトライアスロンデビュー。
60歳の節目である2024年にアイアンマン世界選手権でエイジ5位に入賞する。

専業主婦からトライアスリートへと夢を叶えるステップ。

――世界選手権での入賞経験もある谷川さん。トライアスロンはいつから本格的に取り組みはじめたのでしょうか。

初めてトライアスロンを知ったのは随分昔で、確か大学生の頃のこと。テレビで見た第1回宮古島トライアスロン大会のニュースでした。もともと体を動かすことが好きで、体力があるタイプだったので、「私にぴったりなのはこれ!」と憧れが募りました。

でも当時はまだ女性が、子育て・仕事・自分の趣味を同時に叶えられるような時代ではありません。私も就職して5年ほど会社勤めをした後は、結婚し、専業主婦として3人の息子を育ててきました。PTA活動をみっちりとこなすような日々です。

――てっきり、長年トライアスリートとして鍛えてこられたのかと思っていました。そこからトライアスロンに挑戦するに至った経緯はどのようなものだったのでしょうか。

一番下の子が手を離れるようになったので、50歳を目前にして仕事を再開。その頃からようやく自分の時間を持てるようになり、走ったり泳いだりと体を動かすことも徐々に始めていきました。そのタイミングでご縁があり、トライアスロンをやっている方と知り合ったんです。お台場でランとスイムだけの大会が開催されるから出てみてはどうか、とすすめていただきました。

――もともと体力があるタイプでいらっしゃるとはいえ、いきなり大会へエントリーするとは、大きなチャレンジでしたね!

それが48歳のときのこと。そしてその2年後の50歳になるタイミングで、念願のトライアスロンに出場するという夢を叶えることができました。ただ、残念なことに宮古島トライアスロンは人気がある大会で、抽選に5回もはずれて、いまだに参加できていません。

時間は工夫次第で捻出できる!アイアンマンへの道。

――50歳でトライアスロンデビューを果たしてからは国内外の大会に出場していらっしゃいますね。日中はお勤めし、妻であり母でありという複数の役割をこなしがら、どのようにトレーニングを積んでいったのでしょうか。

はじめは、大会に出場するといっても完走することが目標でした。トレーニング時間をどう捻出すればいいのかもわからなくて、週に1度か2度できればいい方。ところがあるとき、私は「時間を作れない」と思い込んでいるだけなのかもしれないと気づいたんです。朝は子どものお弁当作りがあるけれど、もっと早起きすればいいわけだし、夜もうまく家事をやりくりすれば時間は捻出できるはず。そうして続けていくうちに、時間の使い方も工夫できるようになっていきました。

――その積み重ねの結果が、2024年のアイアンマン世界選手権に繋がったんですね。

ちょうど還暦を迎える年でした。トライアスロンの大会は5歳刻みでグループ分けをするのですが、私がエントリーしたのは60-64歳のエイジグループ。5位入賞を果たし、夢の表彰台に上ることができました。ちょっと自慢してもいいですか?(笑)アイアンマン世界選手権のエイジグループで日本人女性が入賞するのは10年ぶりだったそうなんです。

――すごい!大快挙ですね!そこまで谷川さんを夢中にさせるトライアスロンの魅力とは?

やはり、やり遂げたときの達成感です。長い距離を一人で戦うのは本当につらいのですが、ゴールした瞬間に辛さが吹き飛ぶだけでなく、それまでレースに向けて長い期間頑張ってきたこと報われた喜びもあり、すぐに「またやりたい!」と思えます。山登りに似ているかもしれませんね。登っている途中は辛くても、頂上で絶景を目にすると疲れなど忘れてしまう、あの感覚。ゴールした者にしかわからない、得難い感動です。

それに、一人の競技といっても沿道の応援がとても支えになるし、遠方からもトライアスロン仲間がトラッカーを見守ってくれているから、「頑張らなくちゃ」と奮起できるんです。そうして若い人たちと交流できるのもトライアスロンを始めて良かったこと。女性トライアスリートのみなさんからは美容法なんかも学ばせてもらっています。

――谷川さんは、日頃からトレーニングをされているからだとは思うのですが、それにしてもお肌がツヤツヤでいらっしゃる!

トライアスロンは、たっぷり日光を浴びるし、髪は海水で傷むから、ケアが必須。女性トライアスリートの仲間に教わってから、肌も髪も紫外線対策をしていますし、毎日のシートマスクは欠かせません。還暦を過ぎたとはいえ、おばあちゃんのようなボロボロの姿をレース中に見せたくないんです。イキイキとしている人がチャレンジしている方が、後に続く人も出てきてくれるかもしれませんし。

――5年後、10年後の自分はこうありたいというビジョンはお持ちですか?

はい、それは明確に持っています。昨年は60-64歳のエイジグループで良いスタートを切れましたが、歳を重ねるほど肉体的に辛くなっていきます。この5年間は今の状態を維持していきながら、次の65-69歳のグループでも目指すは優勝!そして、ゆくゆくは最高齢完走者を目指したいです。

――むしろ谷川さんのチャレンジは始まったばかり、ということですね!

そうです!私、120歳まで生きるつもりですよ(笑)。87歳でアイアンマンを完走し、世界最高齢完走者になった稲田弘さんと一緒にトレーニングをしているのですが、すごく刺激をいただいています。稲田さんを超えることも目標の一つ。むしろここから私の人生が始まっていき、もっともっと楽しくなると思っています。

小さなことでいいから、一歩だけ踏み出してみる。

――このJournalを読んでいるウィルミナのお客様の中には、本格的な運動経験がなく、何かを始めることにためらいがある方がいらっしゃるかもしれません。そんな大人世代の女性に、谷川さんからエールをいただけますか?

トライアスロンは、走る・泳ぐ・自転車を漕ぐだけだから難しいことはありません。とりあえず小さな大会でいいからエントリーしてみると、目標ができるので、トレーニングが捗るでしょう。ただトライアスロンは極端ではあるので、マラソンでもいいですし、毎日公園を歩いてみるだけでもいいでしょう。自分で何か目標を決めて、そこに向かって一歩踏み出すことが大事かなと思います。「もう歳だから無理」「時間がない」というのは自分だけの思い込みかもしれませんから。

――谷川さんの世界選手権での優勝、そして最高齢完走者になるという夢を、ウィルミナも応援していきます。本日はありがとうございました!