ウィルミナが応援する「TRI WOMEN JAPAN(トライウーマンジャパン)」の女性トライアスリートを紹介するシリーズ。孫崎虹奈さん、谷川真由子さんに続いて、今回は嶋崎美沙子さんにご登場いただきます。40歳から始めたトライアスロンの楽しさや健康維持の秘訣についてお話を伺いました。

嶋崎美沙子さん
会社員。二児の母。運動好きが高じて40歳でトライアスロンを始め、審判の資格も取得。
2ヶ月に1度のペースで国内大会に出場している。
40代になり、自分のための余裕ができて始めたのがトライアスロン。
――嶋崎さんがトライアスロンを始めたきっかけを教えてください。
40歳でトライアスロンを始めたので、キャリアとしてはまだ3年です。中学生の頃にテレビで知ったトライアスロンに憧れを抱き、「いつかは挑戦したい」と思っていました。子どもの頃から水泳はやっていたのですが、中高が剣道部、その後はチアリーダーと、運動は好きで続けてきました。
大学卒業後に就職してからはずっとオフィスワーカーです。その間に子どもを2人産み、長女のときは7ヶ月、長男は6ヶ月と早めに職場復帰。社会人歴がそのまま子育て期とイコールと言っていいぐらい、毎日慌ただしくやってきました。
――その忙しさもちょうど落ち着いたのが40歳の頃だったのでしょうか。
そうなんです。長女が16歳、長男が13歳になり自分に使える時間が増えてきたのと、トライアスロンの自転車を購入するような経済的余裕も持てるようになったタイミングでした。ただ、トライアスロンをやってみたいという思いはあっても知識がなく、とりあえず自己流でトレーニングを始めたんですね。
――確かに、初心者からトライアスロンを始めるステップについて、一般的にたくさんの情報が出回っているわけではありませんよね。念願の大会に出場できたときはどうでしたか?
初めて出場したのは横浜大会だったのですが、完走できるだろうという自信があったんですね。特に水泳は子どもの頃からやってきましたから。ところが、そのスイムでリタイアしたんです。海の中で頭は痛くなるし、怖いし、オープンウォーターの過酷さを実感。その悔しさをきっかけに、スイムだけは教室に通うようになりました。
そして自分なりに調べていくうちに、参加できそうな練習会や地域のトライアスロン連合などを見つけて、徐々に仲間と一緒にトレーニングできる機会が増えていきました。バイクの乗り方ひとつにしても、「なるほど、こうやってやればよかったんだ」と学びながら刺激をもらえています。
ラン、スイム、バイクのトレーニングはいずれも長距離を長時間かけて行うので、1人だとくじけそうになってしまうんです。一緒に練習したり情報交換をする仲間との連帯は、トライアスリートには欠かせません。
トレーニングは出勤前に。お弁当作りも欠かさない。
――お勤めをしながらトライアスロンのトレーニングをするのは大変ではないかと思うのですが、どのように両立させているのでしょうか。
平日は出勤前に走って、土日はスイミングの教室に行くか、仲間が見つかれば一緒に自転車でロングライド。あと、会社のランニングサークルにも登録してあるので、同僚たちと長距離を走ったりしています。家庭・仕事に支障がないように練習をしているので、なるべく夜は練習しないようにしています。19年間欠かさず続けてきた毎朝のお弁当作りもやめたくないので、無理のない範囲で。
――すごいバイタリティ!お弁当作りは、ご家族のためでもあり、ご自身の健康のためでもある?
そうですね。これといった特殊な健康法を実践しているわけではないのですが、食に関しては、子どもが生まれた頃からこだわっています。添加物や冷凍食品は控えて、なるべくタンパク質を摂るように意識しています。40代でトライアスロンを始めてからは、以前よりもっとたくさん食べるようになりましたよ。
――嶋崎さんのお肌がツヤツヤしていらっしゃるのは、食生活と、トライアスロンのおかげでもありますか?
美容に関しても、日焼け止めを塗る程度で特殊なことは何もしていなくて、いつもすっぴんです(笑)。トライアスロンを始めたことで代謝が良くなったおかげかもしれないですね。朝にトレーニングをすると、その日はずっと体がポカポカしています。まわりの女性トライアスリートのみなさんもお肌がツヤツヤですよ。
3種目を行うトライアスロンは筋肉がバランスよく付きますし、お腹まわりが痩せたりするメリットも。いきなりトライアスロンはハードルが高いかもしれませんが、まずは「5分走って、5分歩く」10分を3セット等からでも運動は始められます。少しづつ身体を動かすこともいいと思います。
3私もコーチから「スピードを上げようとしなくていい」と教わっています。基礎体力をつけて、ゆっくり時間をかけていいから、長く続けられるのが理想的だと。
大人になって「初めてできること」の感動は大きい。
――トライアスリートとしてのこれからの目標はありますか?
私は、体を動かすことが好きだといっても、得意ではないタイプ。だから大会でも記録ではなく完走を目標にしています。今は国内のショートレースのみですが、いつかはロングレースに出場してみたい。それまでは、1つずつできることを増やしていくのを楽しんでいきたいと思っています。
トライアスロンには、“初めての感動”がたくさんあるんです。「練習するとこんなに長く泳げるようになるんだ」「怖かったロードバイクも乗れるようになるんだ」と、この歳になって初めてできるようになることがあるのがすごく嬉しくて。そうやって小さなことを1つずつクリアしていった先には、大会で仲間と一緒に完走する感動が待っています。
――これまでジャーナルに登場してくださったトライアスリートのみなさんも、やはり仲間との繋がりに価値があると仰っていました。
会社勤めをしているだけでは出会えないような人たちとお友達になれるのも、私がトライアスロンに感じている魅力のひとつです。4時間、5時間とおしゃべりをしながら走ったりするのですが、ただ日常生活を送っているだけでは、そんな機会には恵まれないですよね。
年齢や職種、立場の垣根を超えて知り合い、練習や大会を乗り越えていく楽しさ。その仲間たちがフェイスブックで仕事や家族のことを投稿しているのを見ると、また刺激をもらい、「私も頑張ろう」と思えたり。50代、60代になっても続けている方はたくさんいらっしゃるから、私もいつか夢のアイアンマンレースに挑戦してみたいですね。
――同世代の励みになるようなお話をありがとうございました。ウィルミナは、嶋崎さんのチャレンジをこれからも応援していきます!