女性の心身に寄り添う「白金高輪海老根ウィメンズクリニック」の院長・海老根真由美先生。株式会社ウィルミナは、事業監修や商品開発で海老根先生とご縁を深めてまいりました。婦人科の開業医でありながら、社会福祉活動にも力を入れている海老根先生に、そのお取り組み内容や医師としての想いを伺いました。
海老根真由美先生
白金高輪海老根ウィメンズクリニック院長。日本産科婦人科学会所属。埼玉医科大学総合医療センター、順天堂大学産婦人科など大学病院のキャリアを経て、平成25年に白金高輪海老根ウィメンズクリニック(一般診療、婦人科美容・美容医療を開業)。福祉活動にも情熱を注ぐ。 https://ebine-womens-clinic.com/
幼少期のご自身の体験から、医学を志すように。
――はじめに、海老根先生が医師になることを志したきっかけをお聞かせください。
私は、子どものときに酷いアトピー性皮膚炎を患っていました。当時の医師に「アトピーは治らない」と残酷にも告げられ、子どもながらに憤りを感じたものです。母が私の体と懸命に向き合ってくれて、食生活の改善などのおかげで快方に向かったのですが、「病気は嫌だ。病気を治したい」という思いが私の中で高まっていきました。医師の多くは男性であり世襲です。私自身は女の子で、学業がそこまで好きというわけでもなかったのに、「医学部に進みたい」と告げたとき、両親はとても驚きましたよ(笑)。
実際に大学の医学部に入学してみると、“医者のご子息”ではない人などほとんどいない世界。私はちょっと浮いていたかもしれません。
――ご自身の辛い体験が糧となったんですね。婦人科医になった動機は何だったのでしょうか?
はじめは皮膚科か、子どもが好きなので小児科もいいなと考えていました。ただ、医療現場に触れてわかったのは、本当に女性医師が少ないということ。産婦人科ですら、患者も看護師も女性ばかりなのに医師の95%が男性という状況。だったら女性である私にできることがたくさんあるかもしれないと思い、産婦人科を選択しました。親の科目を継ぐのが当たり前の先生たちと違って、私は自分の意思で自由に選べましたので。
――先生は長い間、大学病院にお勤めでいらっしゃいましたよね。
順天堂大学、そして埼玉医大総合医療センターでは総合周産期母子医療センターの病棟長も務めたことがあり、長く周産期の患者さんと向き合ってきました。実際に産科医になってみると、なかなかハードでしたね。昼は外来、夜間は出産。緊急の帝王切開のオペも頻繁に発生します。「どうりで男性医師が多いわけだ」と、なってみてからわかりました。その後、順天堂大学に所属させていただきました。
女性にとって開かれた、「患者ファースト」のクリニック。
提供:白金高輪海老根ウィメンズクリニック
――現在は東京白金高輪にクリニックを構え、婦人科、産科、乳腺外科、内科など幅広く患者さんを受け付けていらっしゃいます。土日祝日の診療やオンライン診療など、細やかな「ユーティリティ医療」の提供もクリニックの特徴ですね。
大規模な総合病院は重症患者やオペの対応に追われています。ところが患者さんはというと、「軽い出血があって不安です」「妊娠中ですが風邪を引きました」など、急を要するものからそうでないものまでさまざま。幸いにも周辺の大病院には知り合いの医師が多くいますので、つど連携してうちが受け皿となることで、安定的な地域医療が維持できていると思っています。
私はもう昔のように一日中オペ室にこもって…というハードワークはできません。だったら、せめて大病院の先生たちの代わりに土日も診療しようという思いから、祝日や大型連休にも休診日を設けずオープンに受け付けています。港区でも、特に白金高輪のこの周辺は開業医が少ないんです。でも、働く女性で土日しか時間が取れないという人や、初めの相談は女性医師がいいという人もやはりいらっしゃいますから。
――先生は、医業に限らず福祉活動にも精力的に取り組んでいらっしゃいます。
婦人科医をしていると、さまざまなトラブルの現場に立ち合います。大学病院に勤務していた頃にも、産後うつが酷くて起き上がれないほどになってしまい、育児放棄や虐待に繋がるケースが多々ありました。そういったときは地域の保健センターと連携して対応していたのですが、それが医師の仕事の範疇か、福祉活動なのかどうかと考えることもなく、自然と行動に移していましたね。その流れで、港区には要保護児童対策地域協議会がなかったものですから、行政と相談して「じゃあ立ち上げましょう」ということで参画したりもしました。
性犯罪に巻き込まれた女性を診ることもしょっちゅうです。そういったときは緊急処置や薬を処方するだけではなく、SARC東京(性暴力支援センター)や弁護士と連携したり。こういった細かい動きは、大病院の忙しい先生たちには難しいですから。
女性や子どもたちへの支援を途切れさせない活動。

――海老根先生は東京白金ロータリークラブの会長も務めていらっしゃいましたね。
ロータリークラブも、やはり支援の“草の根活動”です。国が吸い上げて事業化したり、自治体が動ける段階ではない規模の奉仕活動を行うのですが、今の私のクリニックが志すものと通じる点があると思っています。
私が会長を務めた期には、例えば「東京こどもホスピスプロジェクト」に力を入れていました。白血病や骨肉腫を患って抗がん剤治療を行ったお母さんとお子さんをサポートする施設への寄付を呼びかけるなど、公的機関が動くまで、支援を途切れさせないための活動です。今期、私が会長を務めているのですが、例えば「東京こどもホスピスプロジェクト」に力を入れています。白血病や骨肉腫を患って抗がん剤治療を行ったお子様のお母様をサポートする事業で、医療施設へ現場の理解を啓蒙し、公的機関が動くまで、支援を途切れさせないための活動です。私は、医師として現場で見て知っている立場ですから、わかることやできることがあると思っています。
――多くの女性をサポートしてきた海老根先生だからこそ、相談してみたいという女性が大勢いると思います。後編では、現代女性の健康についてお話を伺います。