女性の悩みに寄り添う「白金高輪海老根ウィメンズクリニック」の院長・海老根真由美先生にインタビュー。前回の「婦人科医が福祉活動を続けるのはなぜ?海老根真由美先生インタビュー」に続いて、今回は、現代女性の健康課題について伺います。
海老根真由美先生
白金高輪海老根ウィメンズクリニック院長。日本産科婦人科学会所属。埼玉医科大学総合医療センター、順天堂大学産婦人科など大学病院のキャリアを経て、平成25年に白金高輪海老根ウィメンズクリニック(一般診療、婦人科美容・美容医療を開業)。福祉活動にも情熱を注ぐ。 https://ebine-womens-clinic.com/
若い世代ほど痩せすぎている!懸念は骨粗しょう症リスク。
――海老根先生のクリニックは、婦人科、産科、乳腺外科、女性内科をはじめ、一般内科、頭痛外来、泌尿器科、さらに美容医療と、すべての科目で女性医師が担当し、女性の健康に向き合っていらっしゃいますね。
医療では最近になって「性差医療」が注目されるようになりました。医学研究も医療現場でも男性が中心となって物事が進んでいます。そもそも女性の健康問題が研究対象になっていないため、データすらないというのが実態です。
実は、内科の疾患にしても、性差によって病態や発生頻度が異なるということが年々わかってきています。また、産科は「産んで終わり」ではありません。産後の乱れをホルモンバランスのせいだけにしていいのか、産後うつを疑うべきではないかを判断し、継続的にサポートしていく必要があるんです。
――患者さんの心理的ハードルもありますよね。女性医師の方が相談しやすく、病院に足が向くことで、産後うつを診断して、病気の早期発見に繋がりそうです。海老根先生は、クリニックの院長としてお立場から、現代の女性はどのような健康課題を抱えていると思われますか?
日本の女性に関していえば、“痩せすぎ問題”がありますね。見た目を気にする心理状態が加速しているように思います。痩せていて美しくないと表に出てはいけない、友達にしてもらえないというような。SNSの影響が大きいのでしょうか。ショート動画や配信もあり、若い世代ほど人目に晒されるプレッシャーを抱えているかもしれません。
――それは大いにありそうですね…。女性が痩せすぎている場合、どういった問題が懸念されますか?
診察していて感じるのは、若い女性ほど華奢で体力がないということ。骨が弱くて、若いうちから骨粗しょう症の懸念があります。
――“痩せ薬”が社会現象として問題になっていますね。
骨粗しょう症の話でいえば、ビタミンDとカルシウムの摂取が推奨されてきましたが、研究によって「加重」が必要であることもわかってきているんですね。骨は、体にしっかりと筋肉があって負荷がかかることで鍛えられます。つまり、痩せて軽い状態の体にどれだけビタミンDやカルシウムを投与しても、骨は丈夫にならないんです。長寿の時代といわれますが、今の若い子たちが骨の弱いまま年を取っていったら、早々に寝たきりのリスクが生じるかもしれません。
更年期世代の健やかな暮らしは日々のケアから。
――40代以上の更年期世代についてはどうでしょうか。
更年期症状については、情報の流布も追いついてきていて、適切なホルモン補充療法が行われたり漢方薬が処方されることで、昔のように、起き上がれないほど辛い症状を訴える方は減ってきました。少しでも気になる更年期症状があれば、私どものような婦人科に気軽に相談していただきたいですし、QOL向上のサポートもできると思っています。
――先生のクリニックでは萎縮性腟炎(老人性腟炎)など、QOLに直結する症状の治療を受けることができますね。
レーザー治療の「モナリザタッチ」や、膣ピルの「EBINEフローラ」の取り扱いがあります。尿路感染症や、痒みや痛みを伴う腟感染症にかかりやすい女性では、腟内の乳酸菌の一種であるラクトバチルスが減少しています。これは、更年期以降の閉経した女性に見られる症状です。ラクトバチルスが減少と共にバリア機能が低下し、炎症などのさまざまな不調が出るのです。「EBINEフローラ」は、膣内のバランスを保ち、女性の健康を内側からサポートするサプリメントです。

出典:白金高輪海老根ウィメンズクリニック
EBINEフローラ
https://ebine-womens-clinic.com/homecare/flora
――ウィルミナではデリケートゾーンの商品を取り扱っており、特に更年期以降の世代に向けて清潔に保つことの大切さを呼びかけています。やはり、日頃のケアが重要でしょうか?
加齢と共にバリア機能が低下している状態ですから、日々のケアはぜひ丁寧に行っていただきたいですね。これも性差医療の話に通じるのですが、女性器を石けんで洗うという、あり得ない状況が長らく続いてきました。pH3〜4の膣をpH10の石けんで洗ってしまうとヒリヒリと痛んで当然です。
海外にはわりと早くからデリケートゾーンソープがあり、私は、日本の企業も作ってくれないものかと思っていました。ただ、製薬会社や化粧品メーカーの決定権は男性にあり、女性特有の洗浄成分が研究開発されることがなかったわけです。
長らく女性だけが使うプロダクトは軽視されてきましたが、ウィルミナのような企業で、女性のヘルスケアのための商品開発、製造がされる時代にようやくなってきましたね。
――先生のクリニックでも、デリケートゾーン専用「EBINEフェミニンムース」を取り扱っていらっしゃいますね!
婦人科医として、入院中の妊婦さんや、寝たきりのご高齢の女性がデリケートゾーンをうまく洗えないという問題を見てきました。そんな私だから作れるものを、と思い着手したのが「EBINEフェミニンムース」です。入浴時の洗い流しに使用できない体調のときは、ムースをペーパーに取って拭き取ることでも清潔に保てます。
出典:白金高輪海老根ウィメンズクリニック
EBINEフローラ
https://ebine-womens-clinic.com/homecare/flora
医療が、広く世界の女性に届く未来を目指して。

――これまで長く女性の悩みに寄り添ってきた先生ですが、今後はどのようなことに取り組んでいかれるのでしょうか。
少し大きな話になりますが、世界中の女性に医療が届くようにしたいですね。日本のように、街のクリニックに気軽に立ち寄って診察を受けられる国ばかりではありません。症状があっても診察を受けられるまで2ヶ月待ち、しかも1回の診察で10万円を超える診療費になることもあります。
日本も将来的には医療費高騰の問題を抱えていますが、それでもまだ誰もが無理なく受けられる医療体制が保たれています。少しでも自分の体に不調を感じたら、早めに医師に相談し、健やかな日々を過ごしていきましょう。