名だたるファッション誌のカバーを飾るモデルとして一世を風靡した梅宮アンナさん。2024年8月にご自身のInstagramで乳がんに罹患したことを公表。告知から手術、化学療法を経験する中で、どのように病いと向き合ってきたのでしょうか。当時の心境や、治療がひと段落したいま思うこと、センセーショナルな電撃婚についてもお話を聞かせてもらいました。

梅宮アンナさん
『JJ』『CLASSY.』『VERY』(光文社)などの人気ファッション誌で
モデルとして活躍。ドラマやバラエティ番組、
CM、アパレルのプロデュースなど活動は多岐に渡る。
ある日、「胸の形が違う」と異変に気づく。
――昨年、梅宮さんが乳がんであると公表されたときは大きく報道されましたが、胸の異変にはご自身で気づいたそうですね。
私の場合は、俗に言う「しこり」を見つけたのではなく、右胸の形が萎むように小さくなっていることに気づいたんです。最初は「更年期の症状?」と思ったのですが、どう見ても異常。すぐに病院へ連絡し、予約を取りました。
――「まさか」という思いや恐怖心によって腰が引けてしまいそうですが、梅宮さんは行動に移すまでが早かった。
はい、普段からちょっとの風邪でも病院に行くタイプだったので、今回もすぐに。最初の検査はエコーとマンモグラフィーでした。ところが病院側の回答は歯切れが悪く、何かが写っているとはいえない状態だと。次の針生検を経て、検査を進めた結果、早期発見の難しい「小葉がん」だと判明。血液中の腫瘍マーカーの数値も高く、ステージⅢと告知されたときは、正直サーッと血の気が引きました。
告知から10日間は、さまざまなことを考えてモヤモヤしていました。でも逆に言ってしまえば、落ち込んだのはその10日だけ。がんは進行していくものだから、1分1秒も無駄にできない、早く治療を始めたい!と切り替えられました。
――乳がんであることを明かさず密かに治療する、あるいは事後に公にすることもできたと思うのですが、早々に公表した理由は何だったのでしょうか。
医師によると、治療をフルコースで行うと1年近くかかるとのこと。治療に絶対はないかもしれませんが、説明をよく聞いて納得できたし、最善を尽くそうと思えました。受けられる治療があるというのは本当にありがたいこと。だからこそ、公表しようと思ったんです。これまでもライフスタイルをありのままに発信してきましたし、希少な乳がんではどういった治療を受けるのかを世の中に伝えるのが私の役目だと。
――梅宮さんはアメリカの事情にも精通していらっしゃいますが、医療費の面で、日本との違いに驚かれたそうですね。
そうなんです。アメリカなら、がん治療ともなると目の飛び出るような金額です。でも日本では標準治療として保険適応で受けられます。私は摘出手術をし、2種類の抗がん剤を投与し、放射線治療をしても驚くほど安くて、大きなお金がかかったのは、自分で選択した個室代だけ。なんてありがたいんだろう!と感謝しかありません。ところが世の中には、標準治療は安いから効果が薄いと勘違いする方もいるんです。
――情報が不足していると、恐怖心が加速して迷いが生じるのかもしれませんね。
大きな病気をすると、「このサプリを飲むといい」「あのクリニックを紹介するよ」と教えてくれる人がたくさんいるんですよね。でも私は父(故・梅宮辰夫さん)が標準治療で乗り越えた姿を間近に見てきました。だから私も迷わず「標準治療」という現時点で最良の治療を選択できたのだと思います。
こだわったのは、私だからできる伝え方。

Instagramより(@annaumemiya)
――治療の過程をInstagramで見守っていましたが、梅宮さんに悲壮感はなく、カラフルなウィッグ姿で登場したり、ポジティブに向き合っていらっしゃいました。どのような内容にせよSNSでの発信には賛否が寄せられるものですが、どういった反響がありましたか?
「発信をやめてほしい」「影響力のある人は慎むべき」というご意見をいただくこともありました。治療中は世間から完全に姿を消すこともできたかもしれません。でも、それは私には違う。仕事が原動力ですし、性格的に、むしろ休んで家に籠っている方が落ちてしまうとわかっていました。だから外にも出るし、SNSで発信もする。今までもずっと気持ちを言葉や文章にすることが私自身の支えでしたから。
ただ、包み隠さず公開するといっても、髪が抜けた痛々しい姿をそのまま見せるのは違うなと思ったんです。受け止め方はさまざまなので、これから治療を始める人を不安にさせてしまうかもしれません。仕事柄ファッションやヘアスタイルにこだわってきましたから、「こんなにおしゃれなウィッグがあるよ」と、私だからできる発信をしたいなと思っていました。
――10月は、乳がんの早期発見・早期治療を啓蒙する「ピンクリボン月間」ですが、梅宮さんからは女性たちにどのようなメッセージを届けたいでしょうか。
大前提として定期的にがん検診を受けてほしいと思います。ただ、検診で見つかるがんもあれば、私のように見つからないケースもあります。そこで大切なのは、「あれ?」と違和感を抱いたら迷わず病院へ行くということ。後回しにして治療が遅れると、時間もお金もかかり、結局辛くなるのは自分です。体に異変を感じたらすぐに医療機関へ相談に行く。これが、体験者の私から伝えたことです。
大人の2人で、無理なくゆっくり変化を楽しみたい。

Instagramより(@annaumemiya)
――大きな病気と治療を経験し、梅宮さんの内面で何か変化は起こりましたか?
「これを食べるとがんが治る」などとすすめてもらうこともありますが、私は一切信じません!ただ、少しだけ意識が変わったかも。以前は1杯のコーヒーにコーヒーフレッシュを8個も入れていたのですが(笑)、控えるようになりました。野菜が嫌いだったけど食べるようになったり、食後のデザートをたまに遠慮したり。「がん細胞は甘いものを好むから絶対にダメ」という意見もありますが、私はそこまでは思わないかな。極端に変えたら、誰とも何も食べられなくなり、楽しみがなくなってしまいますよね。だから生活スタイルは、無理なくゆっくり変化させていければいいと思っています。
私、美容クリニックや高額な化粧品にお金をかけているイメージを抱かれがちですが、意外とそうでもないんですよ。これまで体のためにやってきたことといえば、7年続けている「トレイルラン」です。自然の中で体を動かして汗をかくことが、私にとっては一番の美容法。そのスタイルはきっとこれからも変わることはありません。
――将来的に挑戦してみたいこと、今後成し遂げたいことはありますか?
それでいうと、若い頃に忙しくてできなかったこととして「パートナーと人生を共にしたい」と思っていたのですが、最近その夢は叶ってしまったので…(笑)。
――お相手の方とは出会ってわずか10日での電撃婚でしたね!素敵な大人婚、本当におめでとうございます!
実は旦那さんも糖尿を患っていて、お互い体調管理には気を遣わなくてはいけないので、最近は体にやさしい料理に目覚めています。料理も忙しかった頃には避けてきたことなのですが、食べてくれる人がいると楽しいものですね。夫婦で年を重ねていくにつれて健康課題も増していくでしょうから、シニア世代になる準備として、楽しい食事で人生を豊かにしていければと思っています。
――梅宮さん流の大人向けレシピなんかもぜひ発信してください!ご病気のこと、治療のことをお聞かせくださり、ありがとうございました。